[西日本豪雨被害] 紺家波兎計画(鏝絵保存)へのご協力お願い

[西日本豪雨被害] 紺家波兎計画(鏝絵保存)へのご協力お願い

皆さん、こんにちは。オフィス・セイケ代表の清家です。

「紺家(こんけ)」というのは、私の家が長年地元で呼ばれてきた屋号です。残念ながら祖父母に由来を尋ねる機会がなくまた両親もこの件に関しては知らかっため、おそらく染物に関する仕事に関係した時期が何世代か前にあったのだろうという推測しかできません。しかし、私はこの屋号には親しみを感じており、今後のオフィス・セイケの活動で活用したいと考えていましたが、この度西日本豪雨という予想だにしていなかった災害をきっかけに、「紺家波兎計画」を企画させていただきました。

職人の心意気を表現した鏝絵

鏝絵とは家の繁栄と無病息災を願い、当時の左官職人が遊び心で家屋や蔵などの漆喰外壁に施した民俗芸術の一つです。私の実家(愛媛県宇和島市吉田町)は、屋号を「紺家(こんけ)」といい、日清戦争(1894-1895)頃に建てられた蔵の外壁には、当時からの鏝絵「波兎」が施されています。「波兎」は鏝絵の題材として広く使われていて、「因幡の白兎」など伝説に基づくなどさまざまな説がありますが、「波」は「水」を連想し屋根に近いところに置くことで火事を防ぐ願いなど込められていると思われます。また波間を元気に跳ねる「兎」は月の精ともされ、多産で一族の繁栄を願うシンボルであったようです。

波兎鏝絵しかし、120年近くも紺家を守ってきた波兎にもお別れの時がやってきました。平成3077日の西日本豪雨により裏山二箇所が同時に崩れ、全壊・半壊・床上浸水となり、母屋と蔵を含むほぼ全ての紺家の家屋を解体することになりました。解体は令和元年11月となります。

オフィス・セイケでは、この歴史的にも意味のある鏝絵「波兎」をなんとか後世に形として残したく、ここに「紺家波兎計画」を立ち上げ、有志による鏝絵保存会の皆さまのご協力とご指導のもと、10月中旬から保存作業にとりかかる所存です。作業風景は記録映像としてビデオ撮影され、弊社のYoutubeチャンネルに掲載し、世界の皆様にも鏝絵「波兎」の保存の様子を見ていただくこと計画しております。

 

  • 紺家波兎計画スケジュール

    • 令和元年10月8日(火)午前11時
      • 方除祭(お蔵・井戸・便所を更地にするための神事)
      • 鬼北町大本神社 神主 大野直陳氏
      • 映像撮影予定
    • 令和元年10月9〜12日予定
      • 鏝絵保存工事のための足場組(解体業:亀井組様)
      • 映像撮影予定
    • 令和元年10月13日(日)
      • 鏝絵保存会による蔵からの鏝絵の保存工事
      • 映像撮影予定
    • 令和元年11月
      • 被災家屋の公費解体開始

つきましては、ご縁のあった皆様にぜひ保存作業の費用負担へのご協力をお願いしたく、今回のTシャツ販売となった次第です。

図柄はオリジナルの鏝絵「波兎」を元にして私の娘が書き起こし、このTシャツをご購入いただいた方へ「繁栄」と「無病息災」の願いを込めさせていただきました。

どうぞ、皆様のご協力・ご支援をよろしくお願いいたします。

オフィス・セイケ
代表 清家(紺家)正亀

 

 

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