仮面ライダーの変身ベルト やフィギュア、スーパー戦隊 の合体ロボ。松山市久万ノ台 で2008 年に設立した「オフィス・セイケ」に「特撮もの」の玩具が所狭しと並ぶ。 海外の熱狂的なファンをタ ーゲットに、インターネット で特撮や玩具の魅力を動画配 信し、売り上げを伸ばしてきた。「特撮は日本が誇る文化。 魅力を玩具を通して世界に広めたい」と力を込める。
8月中旬、仕事を片付けてさあ帰ろうかと思っていたところで、事務所の電話が。読売新聞から取材依頼があり後日に事務所に足を運んでいただくことに。
取材というと、ラジオなどでインタビューをする側であることが多いのですが、取材を受ける側になるのはとても勉強になります。どのように相手の懐に入って、取材を受ける本人でさえ考えたことがなかったことを引き出す「取材術」というのでしょうか、そんな技術を感じさせられました。
年齢的には自分の子供世代でになる若い記者の方でしたが、話す事はスーパー戦隊と仮面ライダーですから、世代を超えて通じるものがあるので本当に助かります。さすが半世紀以上の歴史を持つ特撮文化です。シーエス・トイズとしては海外販売をしているわけですから、これからも「世代を超えて通じる」だけなじゃなく、「国境を超えて通じる」という部分も大事にしていきたいと思います。
海外のファンらと交流するうち、「魅力を語り合う聖地のような場をつくれないか」と思い立った。空き家になっていた宇和島市の実家を改装し、外国人向けゲストハウスの開設を構想。しかし、2018 年の西日本豪雨で裏山が崩れ、土砂が流れ込んだ。実家は解体し計画を断念した。20年にはコロナ禍が全世に拡大し、国際郵便に影響が出た。1 年以上も海外に商品を発送できず、今年6月の再開後も売上げは半分ほどに低迷した。
圧倒的な力で生家を破壊され、目に見えないウイルスにビジネスを翻弄されました。この数年間の出来事は多くの学びの機会を与えてくれたと思います。災害と疫病。どちらも恐ろしい相手ですが、戦うべき「敵」というより、このような試練といかに共存するかという視点が大切なんだと考える様になりました。
それでも前を向き、取り扱う商品の多角化、情報発信強化を模索する。ゴレンジャーは、黒十字軍の攻撃で壊滅的な被害を受けても立ち上がり、勝利をつかんだ。「どれだけ苦難が続いても決して諦めない。その大切さをヒーローたちが教えてくれた」と笑う。